クリスマスプレゼント【ナイショの妖精さん 3】
「……オレも」
あたしの目の前に、小さな紙袋がさしだされる。カワイイピンクのリボンのシールがはられてる。
「……えっ く、くれるのっ!? 」
「なんだよ? おどろくことじゃねぇだろ? 今、綾だって、オレにくれたじゃねぇか」
「だ、だって……それは勝手に……。あたしがヨウちゃんにあげたかったから……」
「だからっ! オレもあげたいんだよっ!」
あ~……なにこの会話っ! ほっぺた熱~っ!!
ヨウちゃんのほっぺも真っ赤っ赤。
手のひらサイズの紙袋を開けてみたら、中からシルバーのネックレスが出てきた。
……ウソ……。
親指の先くらいの小さなアゲハチョウのチャームがついている。
「……本当に……くれるの……?」
「だからっ!」
さけんだヨウちゃんが、あたしを見おろして、言葉をひっこめた。
あたしのほおに涙が伝っていく。
どうしよう、とまんない。
次から次へあふれてくる。
「……安物だぞ……?」
「そ、そんなの、気になんないよ~……。だ、だって……ネックレスなんて……なんか、本物のカップルみたい~……」
ここで泣いたら、子ども丸出しなのに。なんかもう、ほっぺた、涙でぐしゃぐしゃ。鼻水まで出てきちゃってる。
「……あのな。……だからオレたち、本物のカップルなんだって……」
ヨウちゃんがあたしの手のひらから、ネックレスをつまみあげた。チェーンをはずして、あたしの首にまわす。
「……つけていい……?」
ほっぺたの涙をこぶしでぐいぐいぬぐいながら、あたし、こっくりうなずく。
……だけど。
「……あれ? っと。……か、かからねぇ~……」
ヨウちゃんの眉間に、ぎゅっとシワが寄った。
「なんで、チェーンがこんなに小さいんだよ。つーか、うす暗くてよく見えねぇし」
……それより、ヨウちゃんの手、ずっと震えてるから。そのせいだと思うけど。