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「きのう見たものはわすれろ。オレもわすれる。オレらはきっと、同じ夢でも見たんだ」

「いいよっ! 協力してくれないなら校内放送で『中条葉児は、ベイランドのオバケ屋敷でも怖がるビビリだ!』ってさけんでやる~っ!! 」

「う、うわぁああっ!!  待て、待て、待てぇ~っ !!」

​STORY

あのころのトキメキ​、ここにあります!

小学生のピュアラブ×里山ファンタジー

「きみの背中には羽がある」

幼いころ、見知らぬだれかに言われた言葉。

だから、あたしは信じてる!

 

「あたしは妖精の子。いつか、こんな生きづらい世界から抜け出して、妖精の世界に帰るんだっ!」

あたし、和泉綾(いずみあや)。小学六年生。

勉強ダメ、運動ダメ、な~んの取り柄もないアホっ子。

まだ夏の暑さの抜けない9月。小学校の校外学習で近所の浅山(あさやま)に行ったあたしたち。

ヤダな。大っ嫌いなクラスのボス、中条葉児(なかじょうようじ)とおんなじ班になっちゃった!

だって、中条って、イギリス人と日本人のハーフでイケメンってだけで、クラスの女子たちにちやほやされて、つけあがってるんだよ?

 

ハードな山歩きに、あたしひとりだけ、体力がついていけなくて。班の後ろをとぼとぼと歩いていたら。

 

目の前を横切ったのは……。

 

「え? 妖精!?」

 


「和泉っ !! こんなとこで、なにやってんだっ! おまえが迷子になったら、怒られるのは班長のオレなんだぞっ!」

 

ねぇ、中条?

もしかして、中条は、何か知ってる?

こんな形ではじまった、
あたしたちのストーリー。


だけどね、あたしたちはきっと
出会うべくして出会ったんだよ。






――ね。
 
ヨウちゃん。

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